光電気化学セル(色素増感型太陽電池)の開発

色素増感型太陽電池
はじめに

石油に替わるエネルギー源として、太陽電池の開発が急ピッチに進められています。
光があれば発電する太陽電池は、二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギー源として注目されています。
これまで、太陽電池は、強い太陽光の元で発電させることを目的とした開発がすすめられてきました。
一方で、われわれの居住環境は、さまざまな光があふれています。
「わずかな光も有効に活用しよう」
そんな着想のもと、新型太陽電池(色素増感太陽電池; DSC)の開発をすすめています。
発電機構と特長

色素増感太陽電池(DSC)の発電原理は、半導体電極の色素増感を利用したものです。
光電極材料として用いられる酸化チタンナノ多孔膜フィルムは、光を吸収すると、電荷分離を起こす性質があります。
酸化チタン自身は、紫外線しか利用することができませんが、可視光を吸収する「増感色素」を吸着させることで、 可視光を利用することができるようになります。
さらに、適切な電子を運ぶ材料との組合せにより、光発電素子としての利用が可能になります。
発電機構と特長
薄型・軽量
基板にプラスチックフィルムを用いることで、薄型・軽量の発電素子とすることができます。
A4サイズで約50g以下、素子の厚みは0.5mm以下にすることができます。
シースルー
光電極・対向電極はともに光透過性です。
電解液も高透明性を実現しています。
デザイン性
印刷技術による製法で、電極デザイン(形・サイズの変更)が容易です。
低照度で高電圧
低照度環境での高電圧出力を実現しています。照度変化による電圧変動が少ないことが特徴です。
(屋内で単セル: 0.5V)
可視光領域で高感度
目に見える波長400nm~800nmの波長を使って発電します。
蛍光灯、白色LEDの波長の感度が高いです。
低環境負荷を実現した製造工程
ペクセル独自の低温成膜技術により、高温・高真空を利用しなくとも製造することができます。
光の明るさと発電能力

色素増感太陽電池(DSC)は、屋内での光環境での効率が高いといわれています。
屋外の晴天時の太陽光の明るさは、10万ルクス以上!それに対して、屋内の明るさは、1000ルクス以下です。
単純計算では、屋内での太陽電池の出力は、屋外での出力の100分の1以下です。
屋外に設置する太陽電池パネルが、数キロWの発電量を目指すのにたいして、室内での利用では、数μW~数百mWの出力を想定しています。
光の明るさと発電能力
光発電の出力と応用分野

屋内での利用を想定すると、数μW~数百mWの小さな出力を活用することになります。
小さな発電量でも、上手に二次電池に充電することができれば、様々な形で利用することができます。
家電製品の待機電力や、ワイヤレスリモコン、省電力 無線通信での利用が想定されます。 また、可視光感度の高さから光センサーへの応用も注目されています。
色素増感型太陽電池
光発電の出力と応用分野
色素増感型太陽電池
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